冬虫夏草の栽培指導 

制作:株式会社BGサイエンス 

 栽培準備(開始) 栽培ノウハウ 
 収穫 乾燥 保存 トラブル解消 
収穫・乾燥・保存 
■事前に準備しておく機器・用具類 
子実体が伸びて通気フィルムにあたるようになると、収穫を始めましょう。時期的には、冬からに栽培を始めた場合は4~5月、4月から栽培を始めた場合は5~6月です。収穫作業が7月に入り込むと高温多湿の影響で、収穫時に冬虫夏草にカビが発生するなどのトラブルが発生します。10000個栽培の場合は、500個/日のペースで収穫すると、トラブルにならず効率的に作業を進めることが出来ます。

用意するもの
○野菜乾燥機(10000個栽培の場合)
大紀産業製:TB10(灯油燃焼または電気を選択)予算50~80万円
電話086-252-1178/「BGサイエンスの冬虫夏草を乾燥させたい」といって頼んでください。もちろん、他社製でもOKです。また、発注の際に「トレ-の底面にメッシュ網を貼って」といってください。通常10段のトレーが付いていますが、余分に5枚(合計15枚)ほど用意しておくと、作業が効率よく進みます。15000個栽培をされている方はTB15(トレーが15段)を、20000個栽培されてる方は上記のTB10を2基用意してください。

○野菜用スライサー(VC-4/短冊切りカッター刃)
大紀産業が販売するスライサーです。購入予算は25万円。包丁でも薄切り可能ですが、手が疲れるので作業が進みません。大紀産業以外に、農協でも入手可能です。

○収穫用コンテナ
収穫した菌床を取り込んで手運搬するためのカゴです。パン屋さんがパンを持ってくるときのトレーでもよいし、直径50cm位の大きな網カゴでもよいです。寸法は長辺56センチ、短辺38センチ、高さ13センチ程度で軽量なものを4~6枚ほど用意してください。

○包丁・まな板
子実体イシツキと菌糸体を切り離します。10000個栽培につき2セットほど用意してください。

○洗い桶
包丁やまな板を水洗いします。

○消毒用アルコール
水40:アルコール60比率で霧吹きボトル(100均)に入れます。洗った後の包丁・まな板・トレー・網カゴなどに随時、噴霧してください。

○オスバン(逆性石鹸)・洗面器・タオル
オスバンは薬局でもインターネット通販でも購入できます。普通は500倍に希釈して洗面器に入れ、水洗いした手をオスバンに漬けて、オスバンが付着したまま乾かします。

○座布団圧縮袋

収穫乾燥した子実体イシヅキを詰めて空気を抜いて圧縮保存します。3kg/袋として20袋ほど用意してください。ホームセンター、インターネット通販でも購入できます。空気を抜くための、電気掃除機も用意してください。

○稲米保存袋
乾燥させた菌糸体を保存するための袋です。農協、またはインターネット通販で米袋10kg用 角底・紐付きクラフトを購入してください。12kg/袋ほど詰められるので20袋ほど用意してください。 

この工程でもっとも注意すべきは衛生面です。顔や手を充分に洗って清潔を保ち、包丁やまな板、コンテナ・ザルやボールなどの用具も含めてオスバン水溶液で洗浄してください。アルコール系消毒液を身近において、清潔さを保ちたい箇所には積極的に塗布(噴霧)してください。
万が一、商品に大腸菌など悪害菌が検出されると、多くの愛用者に迷惑をかけて、さらに、営業停止などの厳しい処分を課せられることになります。 

収穫して乾燥する(子実体イシツキ部) 
冬虫夏草 1 冬虫夏草 3
 そろそろ収穫です  引っ張り出しました
冬栽培で暖房をかけない場合は、4月が収穫月です。5月の連休を過ぎるころには収穫を終了させておいてください。
春栽培の場合は5月連休明けから急ピッチで収穫してください。収穫終了は梅雨入り時期です。それ以上延びると、何らかのトラブルに見舞われますのでご注意ください。
山間部や寒冷地域は、ほぼ1カ月、収穫時期が遅れます。 
■カップから取り出した冬虫夏草の部位は下写真のように区分する
部分と価格 ① 子実体:二核菌糸から成長して胞子を持つ。多くの栄養成分を持つことから、癌患者の栄養補給に利用される。10000菌床から20㎏程度の収穫を見込める。 
② イシツキ:二核菌糸を生成する部位で、哺乳類でいえば妊娠器官。多くの栄養成分を持ち、子実体とともに食する。10000菌床当たり30㎏程度の収量を見込める。 
③ 菌糸:培地から盛り上がった菌糸塊。冬虫夏草としての栄養には欠けるが、普通の健康食品としては十分に活用できる。10000菌床当たり200㎏程度の収量を見込める。 
④ 培地:菌糸が回ってない部分。土壌改良材やペットフードに利用。
■冬虫夏草の上手な切り分け方
冬虫夏草 4 冬虫夏草 
 イシツキ部分から切断  半分に切って切断も良い
   
カットの位置は子実体の根元2~3ミリの部分(上左写真)に包丁を入れて切り分けます。イシツキ部が薄いと収量が上がらないし、厚すぎると品質が低下してしまいます。正確に切るには、右写真のように先ずは半分に切り、これを寝かせて半月状の蒲鉾を切るように包丁を入れるとよいです。収量は1培養基当たり7gになれば理想的ですが
癌食用の高品質なものを採る場合は、1培養基当たり5gにすると非常に良い製品となります。 
 
冬虫夏草 6   乾燥時間

 
 子実体→35℃ 15時間
 菌糸体→45℃  6時間


指で折ると「ペキッ」と音がするまで乾燥。
降雨時など多湿の時は、乾燥しても、すぐに湿るので要注意。
 乾燥機トレーに並べる  

収穫して乾燥する(菌糸体) 
冬虫夏草 7 冬虫夏草 8
切り取った菌糸体2菌床分  半分を4~5個に切り分け
   
包丁で切り分けるのは、結構な重労働です。上記した「粗みじんカッター」があると、疲れなくスムーズに粉砕できます。 


 子実体→35℃ 15時間  菌糸体→45℃  6時間

長期的に保存する方法 
冬虫夏草 9 冬虫夏草 10
子実体イシツキ部は衣料圧縮袋で3kg梱包。
10000培養基あたり50~60㎏収穫できれば最高です。
長期的に保存する場合は、シリカゲルを入れて空気を抜いてください。
菌糸体は米袋で12kg梱包。
10000培養基あたり200~230㎏収穫できれば最高。
長期的に保存する場合は、シリカゲルを入れて空気を抜いてください。

  乾燥・換気・暗室にて保存

制作:株式会社BGサイエンス 

トラブル解消 アロー01 


冬虫夏草の収穫・乾燥・保存
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