制作:株式会社BGサイエンス |
栽培ノウハウ |
栽培温度 |
(1)菌糸成長:4~20℃/最適温度:17℃ (2)発芽温度:20~24℃/最適温度:22℃ (3)栽培温度:0~28℃ |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
寒冷地 | 暖 | 暖 | 暖 | × | × | × | △ | 暖 | ||||
温暖地 | 暖 | 暖 | 冷 | 冷 | × | × | × | △ | 暖 | |||
栽 培 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 不 | 不 | 不 | 可 | 可 |
氷点下になっても菌の死滅はありませんが、培地に霜柱が出来るとせっかく成長した菌糸が切断して修復までに1カ月ほどかかるため、期間的な損失が出ます。よって温暖地の冬季栽培ではオイルヒーターなどによる簡易加温機器が必要、寒冷地では熱風が菌床に当たらないキノコ用の加温システムが必要となります。 28℃以上になると虫草菌の死活温度に近づくので、カビ菌や枯草菌などに負けてしまいます。また、28℃に近づくにしたがって虫草菌の力が弱まるので、夜間には霧散布して冷たい外気を入れる「放射冷熱現象」を利用した方法で菌床を冷やすことが必要となります。 |
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オイルヒーターを使う場合の加湿については、左写真のようなヒーターの上に(お菓子の化粧箱)ブリキ缶を置いて、中にしっかりと水をためてください。こうしておくと、まるでお風呂のように栽培棚の上段付近に上質の湿度を送ることができます。 | |
寝室で体験するように、暖房をかけると空気が乾燥して喉がカラカラになったり、肌がかさついたりします。冬虫夏草の菌糸も同じですから、正確にその対策をとってください。 |
栽培湿度 | |
(1)菌糸成長期:70% (2)発芽期: 80% (3)伸長期: 75% (4)収穫期: 60% |
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冬虫夏草の栽培行程を4区分しました。菌床が栽培地に納入されてほぼ1カ月、薄い黄色だった培地がどんどんオレンジ色に変わる時期を「菌糸成長期」、培地表面にブツブツと白い米粒のような塊が出てくる時期を「発芽期」、発芽してどんどん子実体が伸びる時期を「伸長期」、子実体が表面のフィルムに当たりだし取り入れが始まる時期からを「収穫期」とします。 これらの湿度を上記の通り正確に維持しようとすると、換気がおろそかになって逆効果になります。換気すると、湿度は排気とともに放出されるため、急激に湿度が低下するからです。 このギャップを埋めるのが、培養基の構造です。下の写真を参照すると表面フィルムに小さな水滴が付いています。これは霧吹きした水分ですが、これが表面フィルムの乾燥を抑えています。ここが湿っている限り栽培室(マクロ環境)の湿度が乾燥状態になっても、カップ(ミクロ環境)の中の湿度は不変なので加湿する必要はありません。 |
明るさと照明 |
キノコ栽培でよく使われる「三陽七陰」とは、木漏れ日が当たる(上写真参考)時間が3割、陰になる時間が7割ということです。直射日光があたると培養基(カップ)内の温度が上がって菌が弱るとか培地が乾燥して発芽しにくいなどの障害が出てきます(下写真左)。 かといって、暗い場所で栽培すると徒長(とちょう:細く長くなる)という生育不良を招きます。したがって「直射日光を当てない」ことと「補助照明を活用」して木漏れ日を創造し、オレンジ色が濃いバランスの良い子実体(下写真右)を育てる工夫が必要になります。 |
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生長のポイントは「換気」 |
子実体が伸長する最大の要因は換気です。冬虫夏草も生き物ですから、暗い小さな部屋に多数詰め込まれると苦しくなって本来のパワーを失ってしまいます。よって、出来る限りたくさんの換気をしてください。このことを示す化学式を下に用意しました。 | |
冬虫夏草の栽培指導(3)|BGサイエンス
Copyright (C) 2005/03/01-2020/05/30
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