RK98椎茸菌を解明



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椎茸菌床RK98の栽培方法

RK98椎茸菌床の栽培方法には上記の2種類と、高温期方式(別途)の3タイプがある。ハウスの広さや夏季栽培との兼ね合いをもとに方法を選択するが、いずれの方法でも同じような品質、単位収量を得ることが可能です。(特許出願中)

椎茸栽培に必要なものは遮光率90〜100%のシート、または寒冷紗、そして菌床を並べるための棚、或いは吊り下げの材料。それに注水するための水源があればよい。注水器具は中国製のものがあるが別売りとなる。 


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完熟菌床が大きな収穫差を生む
 

RK98椎茸菌床の場合、優秀な菌床のみ厳選して日本の栽培者に納入することを基本とする。
日本であれ中国であれ、菌床というものは野菜の種子と一緒で、製造した全てが優秀に仕上がることはあり得ない。原菌の時点の菌の力のバラツキ、培地のクヌギの混入度、樹質、殺菌、植菌した菌の量、二酸化炭素濃度、日照、温度供給などの要因で、強い菌床と弱い菌床ができるのは当然のことである。従って大連渓流公司では、栽培者に供給する予定量の2倍に及ぶ菌床を製造し、その中から厳選し出荷している。

菌糸培養管理も入念に行う。菌床に植菌する前の段階で菌の強さやばらつき、雑菌の有無などを調べる菌糸テスト(下写真)をおこない、優秀な菌だけを菌床に植え込む。さらに、製造した菌床の内、成長の良いものだけを集めて、日本出荷用のハウスに移し替える。出荷を前にして、日本出荷用のハウスで更なる「元気チェック」を施し、合格品のみを夜間に箱詰めし、早朝には冷蔵コンテナに積み込む。結果的に、細心の注意を払って製造した菌床でも、雑菌による壊死率2〜3%、元気チェックによる除外率は40%にも及ぶ。

菌床は生き物である。しかも、輸入して半年は元気に生き続けて、日本の栽培者の生活を支えねばならない。その意味からも、PK菌床は中国の菌床を知り尽くした日本人がリーダーで立ち上げた技術である。そして中国現地に管理法人を設立し、原菌管理・制造・菌糸培養・ガス抜き、出荷検品・選別、さらには中国内輸送・コンテナ温湿度、日本の通関輸送管理を経て、栽培者に供給するまで、一貫した「日本人体制」をとっている。
日本国内の栽培指導にも適切な配慮が出来ることが、他の中国菌床とは違う。中国で1000万菌床を研究栽培した実績をベースに、トラブルに対して的確な指導が出来ることも、PK菌床の優れた特徴である。日本の栽培者の意向を受けてクヌギの豊富な土地で菌床製造し、発芽直前に日本の栽培者に届ける。日本人が日本のために、中山間地の振興のために進めてきたプロジェクトであり、中国産椎茸の驚異に対して唯一対抗できる手段なのである。


  1. 植菌・・・・・5月中旬・・遼寧省菌床制造基地にて作業
  2. 菌糸培養・・・6月中旬・・同上
  3. 完熟・・・・・8月下旬・・同上
  4. 出荷・・・・・8月下旬・・検品厳選してコンテナに積載して輸出
  5. 納入・・・・・9月上旬・・日本の港湾で通関、栽培ハウスに入る
  6. 注水・・・・・9月下旬・・早く発芽させたい場合には注水する
  7. 発芽・・・・・10月中旬・・発芽がはじまる

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厳選した菌床だけを選んで納入

日本のように、植菌直後の菌床をハウスに持ってくると、様々なリスクが考えられます。原菌の強弱、菌糸の強さ、完熟度、トリコデルマの有無など、菌床製造行程上のトラブルを全部、栽培者サイドで引き受けねばなりません。これを他所でやってくれて、優秀なものだけをハウスに持ってきてくれたら、労力や管理費も含めて栽培者の負担はずっと軽いものになるはずです。おまけに、菌糸を蔓延させるのに日本では冷房をかけねばなりません。地球温暖化防止の観点からも、そういった栽培方法には多くの問題があります。

私方では下記の通り、優秀な菌床を日本に送るために、段階において厳しいチェックを行っています。このようにして選び抜かれた菌床だけが、栽培者の元に届けられる方式をとっています。

厳しいチェック体制

  • 原菌チェック(右)・12月
  • 菌母チェック(右)・ 4月
  • 栄養材の毒性分析・・ 5月
  • 水質検査・・・・・・ 5月
  • 菌糸培養検査・・・・・毎月
  • 出荷検品・・・・・・・出荷直前
  • 商品検査・・・・・・・通関時


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RK98菌床で「花どんこ」を採ろう

椎茸菌の性質上、栽培環境が低温に向かえば肉厚どんこの発生割合が増え、高温になれば傘の薄いものしか発生しない。また湿度が高くなると、傘の表面が黒く滑りのある光面に、乾燥すると淡色になって傘の表面が割れて花模様のような亀裂があらわれる。この模様が花が咲いたように見えることから「花どんこ」と呼ばれるようになった。
天白とは、傘の白い亀裂が縦横無尽に50%を超えるものに名付けられ、茶花とは雨が降って含水分が多くなった花どんこのことをいう。自然界では木枯らし吹きすさぶ中、10000分の1の確立で腐朽したクヌギに発生するといわれている。このような「どんこ」や「天白」が多く採れるのは、菌の力によるものである。低温でも発生して、分解力の強い菌だから、栽培が容易で単価の高い椎茸を清算できるのである。


  1. 植菌・・・・・5月中旬・・遼寧省菌床制造基地にて作業
  2. 菌糸培養・・・6月中旬・・同上
  3. 完熟・・・・・8月下旬・・同上
  4. 出荷・・・・・8月下旬・・検品厳選してコンテナに積載して輸出
  5. 納入・・・・・9月上旬・・日本の港湾で通関、栽培ハウスに入る
  6. 注水・・・・・9月下旬・・早く発芽させたい場合には注水する
  7. 発芽・・・・・10月中旬・発芽がはじまる

菌床は生き物である。しかも、輸入して半年は元気に生き続けて、日本の栽培者の生活を支えねばならない。その意味からも、PK菌床は中国の菌床を知り尽くした日本人がリーダーで立ち上げた技術である。そして中国現地に管理法人を設立し、原菌管理・制造・菌糸培養・ガス抜き、出荷検品・選別、さらには中国内輸送・コンテナ温湿度、日本の通関輸送管理を経て、栽培者に供給するまで、一貫した「日本人体制」をとっている。
日本国内の栽培指導にも適切な配慮が出来ることが、他の中国菌床とは違う。中国で1000万菌床を研究栽培した実績をベースに、トラブルに対して的確な指導が出来ることも、PK菌床の優れた特徴である。日本の栽培者の意向を受けてクヌギの豊富な土地で菌床製造し、発芽直前に日本の栽培者に届ける。日本人が日本のために、中山間地の振興のために進めてきたプロジェクトであり、中国産椎茸の驚異に対して唯一対抗できる手段なのである。

クヌギの培地だから花どんこが採れる

 

PK98椎茸菌床

一般的な椎茸菌床

使 用 樹 質

くぬぎ材90%

広葉樹+コーンコブ

木材配合率

85 %

50 %

椎茸発生重量

投入木材の80%

投入木材の60 %程度

製造時体積

4000cc

4500cc

製造時重量

2.2kg

2.6kg

平均商品収量

平均650グラム

450グラム程度

浸 水 作 業

注水するだけ

加湿・浸水が必要


クヌギの培地だから収穫量がアップ

収穫月

2L

収 量

格外品 月発生量

10月計

2粒

15粒

23

25

1595g

170g 1765g

11月計

20

25

20

1695g

255g 1950g

12月計

22

20

12

1470g

180g 1650g

1月計

11

12

10

 830g

120g  950g

2月計

12

 730g

100g  830g

3月計

23

1075g

110g 1185g

4月計

18

620g

120g  740g

5月計

24

 480g

225g  705g
期間計 6粒 86粒 113粒 144粒
粒重量

35g

30g

25g

20

合計収量 210 2580 2830 2880 8500 1280 9780

単位収量

21

258

283

288

850g

128g  978g
おもいっきりテレビに登場した横須賀市の嘉山さんは袋をはいだ栽培でやや含水量が高くなるため、1菌床当たり1000gの収量を確保されています。ただし、これは修練とシイタケに対する熱情からくる結果であり、どなたでも収穫可能ということではありません。

上表のデータは、大連渓流農業科技開発園区において2005年に実地計測した収穫データです。日本輸出残の菌床10個を8ヶ月間観察しました。収量はすべての菌床の平均値です。
また、設計収穫量は使用木材(絶対乾燥重量)×80〜100%です。製造時の菌床重量2000g×47%=940g(木質乾重)940g×(80〜100%)=750〜1000g(椎茸発生量) 従って平均収穫量は(750+1000)÷2=875g/個     

商品としての重量875g×80%=700g(商品重量平均)

収穫量を上げるには、菌糸を充分に育てる方法が必要です。菌糸は暗い環境を好みますから、収穫後は寒冷紗をひき、注水には栄養分を添加して、充分な環境をつくりましょう。菌糸が充分に育ってこそ、菌床の持つ栄養分の全てを収穫することができるのです。これは、根を充分に育てる野菜や果物の栽培理論と同じです。


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雑菌やカビに打ち勝つ椎茸菌床

 

RK98椎茸菌は、大連市から北に約1000km走った霊峰「長白山」の弊社採菌場で育くみ、採取しています。南北800kmにも及ぶ雄大な山脈は、冬には深い雪に閉ざされる−40℃の極寒地、夏は短いにもかかわらず日中は高温多湿、夜には降霜をみるほどの大きな温度差があります。特有の気候と「天池」と呼ばれる清冽な水源から多種に及ぶミネラルを含む渓流水が溢れる、世界に類をみない優れた生育環境が強靱で薬効性の高いきのこ菌を生み出してくれます。この地で採取した椎茸菌は大連市の近郊の三十里堡にある大連渓流農業科技開発園区に運ばれ、一級菌母、二級菌母、三級菌母と培養工程を経て、発芽用の菌床に製造され菌糸育成を終えて日本に運ばれることとなります。

 

【雑菌に打ち勝つ要因】

  1. 原菌を毎年採取して培養する
  2. ミネラル豊富な自然水を使用
  3. 渓流石の配合
  4. 培養に漢方薬草を使用
  5. 培養に化学成分を添加しない
  6. 菌糸(栄養)繁殖の採用
  7. 自然界の温度差

薬品に依存している中国菌床

過去に、日本で中国菌床が普及しなかった理由がある。その第一は、薬物の添加に他ならない。椎茸菌床を制造している地域は北緯25°の福建省から北緯49°の黒竜江省牡丹江までと広範囲だ。日本でいえば稚内から、はるか台湾までの広い範囲だが菌床製造時に、薬物を使用しない地域が意外と少ないことが分かった。
何故、薬物を使うのかを検討してみた。結果は次の通りである。南方では秋の栽培用に、前年の12月から菌の培養を始める。そして、年が明けた4〜5月に菌床に植菌をする。植菌がすんだら30℃を越える熱気と多湿が菌の力を弱めるから、活着率を上げるために抗菌剤の使用をする。逆に北方は秋が短い。6月に植菌した菌床は10月初旬には氷点下になるので、その短い間に何としても多くを収穫をしなければならない。従って8月後半には発芽させねばならず、それに向けて発芽促進剤や増収剤などを添加することになる。


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暖房に頼らない省エネ栽培

「花どんこ」を栽培するには、大きく分けて3つの要因がいる。先ず第一は強い椎茸菌を選択すること。組織分離で得た2世代・3世代の菌では、花の発生率は大幅に減少してしまう。第二に、菌床の木質比率が高めることにある。RK98は木質90%・フスマ10%の配合にしており、しかもクヌギを使用する。これが「どんこ」を採り収穫量を上げる要因につながる。そして第三に、シイタケ菌床の基となる種菌をどのように育てたかということです。弊社の場合には、秋に菌の採取をして翌年の秋に日本に向けて出荷するのですから、丸1年の間きのこ菌と親しむのですが、その間、気温はマイナス40℃からプラス32℃、72℃に達する温度差を経験するわけです。その間は暖房も冷房も使わない自然環境による培養ですから、その環境に勝ち抜いた強靱な菌だけが日本に行って栽培ハウスの中にはいるわけです。これら過酷な工程の中で、日本の暑さにも寒さにも雑菌の汚染にも打ち勝つことができる能力を身につけているということです。


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浸水作業は不要

菌床含水分を確保したり発芽を促進するためには「注水」を行う。注射針のような40cm位の針を菌床に突き立てて手元のコックを開いて、菌床中心部に注水する。この作業を行えば、1週間ほどで発芽が始まる。 

 


高まる市場の評価

RK98椎茸の最大の特徴は、堅くて弾力性に富んだ椎茸が採れることである。その原因は、菌糸が非常に強いということ、そして木質豊かなクヌギ菌床であること、菌床の含水分が低くつくっていることである。そして栽培の方法は、昼夜の温度差を大きくしてやる。そうすれば、ゴムまりのように叩きつけても跳ね返るぐらいの強い椎茸が出来る。

高知県では市場の評判も日々高まっていると聞く。その特徴は、極めて「棚持ち」が良いことにある。普通の椎茸は時間が経てばヒダ部分が黒変するのに、RK98は何日経っても変色せず、そのままの形で「乾シイタケ化」してゆくことが、驚異に感じたようだ。
新しい利用方法も生まれた。芽かきした「粒シイタケ」が高い人気を得ているのだ。料理の「つま」として、吸い物や味噌汁にそのまま入れれば、見栄えも香りも数段良くなる。強い菌糸をもったクヌギ椎茸だから、こんな方法でも収益に転ずることが出来る。


棚持ちがよいので販売者も歓迎

RK98椎茸菌は通常の椎茸菌に比べて菌糸が太く丈夫なため、栽培環境を自然にしてやるだけで、とても弾力性に富んだ子実体が収穫できます。それを手のひらで強く握りしめて放したとき、弾力性でもって直ぐにもとの形状に戻ります。それをコンクリートの床に叩きつけたとき、あたかもスポンジボールのように、跳ね返って転んでゆきます。

この驚異の強さを目の当たりにするのは、それを室内にでも放置したときです。腐ったりカビが出たりすることなく、そのままの形で乾燥して乾椎茸になってゆきます。



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