冬虫夏草を食べながら猛特訓した、という馬軍団の奇跡が「ドーピングだ」と揶揄されている。だけどその時、中国大連で冬虫夏草の研究をしていた私は、その真相を知っている。

馬軍団を陥れたい勢力?
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馬軍団を陥れるドーピング騒動

アスリートを志す方なら「馬軍団のドーピング疑惑」には大いに興味があるはずです。20年にわたっていろいろと意見されてますが、真相については、当時、馬軍団と同じく遼寧省大連市で馬軍団が常用していたといわれる冬虫夏草を研究していた私が、知り得る情報のすべてを開示してみたいと思います。また、本文の公開については冬虫夏草を売るための企みだとか、馬軍団に頼まれたなどの不正は一切なく、ただただ大連を愛し、死に物狂いで練習して世界に輝いた女の子たちを一市民として、称賛する思いに起因しています。

馬軍団の馬俊仁コーチを狙い撃ち

疑惑の中心は馬軍団を育て、率いて快挙を成し遂げた馬俊仁コーチですが、彼は大連市金州区に生まれ育ち、病弱な父親の面倒を見ながら近所の山で薬草を採ってきては飲ませたという苦労人でした。学歴もスポーツに関する経験も専門的な知識もない粗野な男でしたが、当時を知る人たちは、強烈な個性の持ち主だと話してくれました。その馬さんが、中学校の代用教員となって女子陸上競技の臨時コーチを依頼され、たまたま、面倒をみていた女子生徒たちが遼寧省の大会で優勝したことから一躍注目されるようになりました。
父親に飲ませていたという薬草を女子生徒の練習にも採り入れたことからタイムが上がりだし、それからというもの、世界のひのき舞台で続けざまに快挙(後記)を成し遂げました。そして世界中のマスコミから「馬軍団」と名付けられ、瞬く間に世界のスポーツ界で頂点に立ったのですから、彼女たちを指導した馬さんが鼻高々になるのも当然のことでしょう。

政府体育総局と対立した馬俊仁

一方で、オリンピックなど国際的なスポーツを管理管轄しているのは中国政府国家体育総局です。局長の袁偉民は、馬俊仁とは対照的にスポーツの名門・南京体育学院に進んでその後にバレーボール中国女子チームの監督に就任、ロサンゼルス五輪など世界大会三冠を成し遂げるなど、こちらも中国スポーツ界きっての超エリートでした。
互いに大きな実績を上げたこの2人、水と油より以上に反発し合い、ことごとく対立して、深い確執が生じていていたといいます。
 

驚異的な記録が続出した馬軍団

馬軍団01
1993年、ドイツのシュトットガルトで行われた世界陸上競技大会で、王軍霞、曲雲霞、張林麗、張麗、馬麗艶ら中学校から教えてきた女子選手たちが、トラック狭しと躍動して圧倒的な強さを示したのでした。
世界がさらに驚いたのが、その20日後に開催された中国第7回全国運動会において同じメンバーが立てつづけに5つの世界新記録を出したことです。3000m決勝では1位~5位の記録が世界歴代ランキングのトップ5に入るという超人的な快挙でした。

世界新記録のラッシュに驚愕した世界陸連(IAAF)のドーピング検査官は馬軍団をターゲットにして、度々、遼寧省瀋陽市にある馬軍団の本拠地を訪れ、トレーニング期間中の抜き打ち検査を実施しましたが、禁止薬物は検出されませんでした。
抜き打ち検査で検出されないのだから「シロ」といえるのですが、たびたび繰り返されるドーピング検査に嫌気がさした馬さんは中国政府国家体育総局を激しく非難し、これから激しい誹謗中傷合戦が続きました。
そのとき、馬軍団の地元である大連市に飛び交っていたのは、ドーピング検査官の背後に体育総局の袁偉民局長が動いているという噂でした。

週刊誌で馬軍団事件が再燃 

それから20年も経った2016年2月、突如として香港の新聞、サウスチャイナ・モーニングポストに作家の趙瑜氏から投稿が届き、それには『1995年に馬軍団が大量の違法薬物を何年も服用したのは事実だ』と王軍霞選手から手紙を受け取ったことを公開し、その手紙の写真をインターネットサイトに掲載したと報じました
この作家は当時から馬軍団の薬物疑惑を記事にして袁偉民局長寄りの論評を書いていた男でしたが、新たに「手紙には他の選手9人の署名もある」と主張したのです
これについて、中国国民の反応は冷ややかでした。あの記録ラッシュから20年以上も経った発表ですから、この20年という空白の時間をどう説明するのかという声が上がりました。
確かに馬俊仁コーチが、猛特訓のために開発した冬虫夏草ドリンクの調合レシピを中国企業に売却して巨額の報酬を得たり、日本商社に「馬軍団の疲労回復ドリンク」として販売権を売り渡すなど、選手たちとともに築いた栄光を独占して金儲けに走り、選手たちには何の謝礼もしなかったことが、選手の嫉み恨みをかっていたことは事実です。
しかし馬さんと選手たちの確執が如何に大きかろうと、選手として、自分たちの輝ける栄光を泥で塗るような馬鹿な真似をするはずもないでしょう。
特に、今だに世界記録保持者である王軍霞は国家の英雄として超有名人でもあり、テレビコマーシャルや講演などで結構な収入もある。その信用を全て投げ打ってまで、今や犬のブリーダーをやって細々と暮らしている馬さんに、攻撃を仕掛ける理由など無いと考えます。

国際陸連の調査方針 

これら報道に対して国際陸上競技連盟(IAAF)は、「まず第一は、その手紙が本物であることを確かめなければならない」と中国陸上競技連盟に協力を依頼した上で事実関係調査を始める意向、と伝えられています。調査によっては何らかの回答が出されると思いますが、週刊誌作家のねつ造記事(?)を一方的に信じて「馬軍団はドーピングだ」と決めつけてしまうのは、如何なものかという感があります。

 中国選手の有名なドーピング事件

▼中国の過去の主な薬物使用

1994年12月(馬軍団外)
広島アジア大会で競泳男子の4種目で金メダルを獲得した熊国鳴ら、陸上、自転車などのメダリスト計11選手から男性ホルモンの一種、ジヒドロテストステロンを検出したのでドーピングと断定しメダルをはく奪した。

1998年1月(馬軍団外)
水泳の世界選手権(オーストラリア)に出場予定の選手がシドニー空港で成長ホルモン剤の水溶液を押収される。他の出場4選手からは利尿剤の陽性反応、ドーピングと断定して2年間の出場停止処分となる。

2000年7月(馬軍団外)
5月の中国水泳選手権で女子水泳個人メドレーの世界記録保持者・呉艶艶が、ドーピング検査の際に筋肉増強剤が検出されドーピングと断定。4年間の出場停止処分となった。

シドニー五輪への出場にも圧力

驚異的な走りで世界記録を更新して以来、馬軍団には常にドーピング疑惑の目が向けられ、1994年のIAAF(世界陸連)による抜き打ち検査以来、数度にわたって抜き打ち検査が実施されている。
さらにシドニー五輪では、李競男・蘭麗新・董艶梅・宋麗清・尹麗麗・戴艶艶ら6人の金メダル候補が大会直前になって中国代表から外されています。血液検査の結果、エリスロポエチン(以下参照)が規定値以上に検出されたというのである。これに対して、この選手たちを指導していた馬俊仁は「高地で特訓したことによりに腎臓生成物質エリスロポエチンが一般人の数倍も生成される体質になっている。尿検査も実施して禁止薬物が何かを特定してくれ」と反論したのだが、結局、確たる証拠もなく「ドーピング疑惑」というだけでシドニー五輪出場を断念させられたのである。馬俊仁はこれを強く抗議し、自らは職を辞してそれ以来、スポーツ界から足を洗っている。
 

ドーピング対象薬物について

エリスロポエチン(EPO)

腎臓で生成され、酸素を運ぶ血液中の赤血球の数を増加させることで、持久力を高める体内成分である。
スポーツ選手が高地トレーニングを行うのは、この身体反応を利用してエリスロポエチンが生成されやすい体質にするためであり、合成製剤「EPO」を使うのは、高地トレーニングを行わなくとも容易に圧倒的な持久力を手に入れることが出来るからである。
スポーツ界への蔓延は何年も前から指摘されていたが、もともと腎臓から分泌され体内に存在する物質であり、合成製剤を注射したものとの区別が難しかったが、国際オリンピック委員会(IOC)は血液検査と尿検査を併用することで、シドニー五輪からのドーピング違反摘発を決定したのである。

 
チベット高原
馬軍団がチベット高原で行った特訓
ところが馬軍団は、再三に亘ってチベット高原や昆明など3000m超の高地で、地獄の猛特訓に励んでいた。そして食事に冬虫夏草とスッポンのスープを供したことは有名で、猛特訓で傷んだ細胞組織を修復する生体反応や腎臓が活発にエリスロポエチンを生成する体質を手に入れていた。
これらの事実から総合して、馬軍団がドーピングをやったという主張の方が明らかなデマゴギーだ、と判断するに至った。

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馬軍団ドーピング事件の真相

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